タネ蒔きの話

今年もそろそろタネ蒔きシーズン到来。その前に種苗会社からタネを購入しなきゃ。。。私の最近の傾向は、、、なんちゃって、説明するほどのこともなく、以前と変わらず多年草中心。^_^; 一年草は花も多く咲いてそのときは楽しめるが、野菜と同じに、苗作りのサイクルが忙しい。春花壇が終わったら夏花壇へ移行する、なんていうのが面倒。それに最近では、この花付きの多さがめっぽうウルサク感じるようになった。だから花壇というよりは、年間を通して気に入った眺めとなる庭にしたい。春には春の、夏には夏の、秋には秋の風景、といった具合に四季の移ろいを感じる、全体として緑中心の庭だ。

昨年から、潅木類もどんどん地植えしている。・・・・これはあまり考えずに好きなものを植えている。白花中心のホワイトガーデンも夢ではあるが、タネを蒔いて育てたものの中には、捨てがたい多年草や低木類も多いのでね。コボウズオトギリもその一つ。この黄色の花はあまり好きじゃないけど、葉色は紫で、果実が赤から黒へと変化するのもお気に入り。これが地植えすると、どんどん大きくなるんだなー。だからしばらくは大きなコンテナで我慢してもらう。

あ、タネ蒔きの話だったね。ここ数年は山野草と呼ばれるもののタネもたくさん蒔いているが、園芸種ほど情報がないので、タネ蒔きには苦労する。自然状態ではほとんど覆土されることはないだろう、ということで、小さいものはほとんど覆土なし。2-3ミリくらいになってくるとタネと同じくらい覆土する、というのが常識のようだ。用土には定植用土と同じものを、という情報があったが、それはあまり良くないと悟った。

根もほとんどない発芽苗は、いくら岩上に生える高山植物だとて、軽石多用では無理があった。2-3ミリ粒の細かめの山砂や赤玉土の小粒や細粒などが良いようだ。ある程度に育ってから、定植用土に植え替えるのがよさそうだよ。その理由は、少しでも乾燥させてしまうとダメになる種もあるから。

また発芽1年目に植替えすると良くない品種も多い。最初のうちの生長が順調だからと、植え替えしたらすぐダメになったものも多いのだ。イワブクロ、メアカンキンバイ、アンドロサケ・フェデッチェリなどなど、たくさんあるよ。(-_-;)

園芸種では、播種方法がタネ袋に書いてあったり、ホームページに記載してあったりするのでその通りにするが、好光性種子で覆土しないと書いてあっても、覆土した方が良いものもある。覆土してもちゃんと発芽するものがあるのだ。

まるで小枝のようなタネのアムソニア(チョウジソウ属)のタネは、好光性種子と書いてあるが実際は、覆土した方が外殻が取れやすいので発芽した芽が健全に育つ。覆土しなかったタネは、発芽してもうまく外殻が取れなくて、子葉がきちんと展開しなかった。この事はその後の生育に影響をきたした。(まぁ、たいした差にはならなかったが) そんなわけでタネ蒔きのとき覆土するしないは、あまり重要ではないと最近は思っている。蒔いたタネ全てを完全に発芽させたいなら別だが。。。。

amsonia_tabernaemontana.jpg画像はタネ蒔きしたあと覆土したアムソニア・タベルナエモンタナ Amsonia tabernaemontana だが、覆土してもこのように外殻がうまく取れないこともある。しかし、湿った土の中にあったせいで、手で軽くつまんだだけで外殻をはずすことが出来る。覆土しなかったタネは、外殻が乾燥していて取れにくくなっているので、子葉を傷つけたり取れてしまったこともある。

また微細なタネで覆土しないつもりでも、発芽が長期にわたるものは、水やりなどで土の粒と粒の間にタネがもぐりこんでしまうことも良くある。それでもそこそこ発芽するので、あまり覆土の有無を気にする必要はないようだ。私の場合、一年以上経過して発芽したものがいくつかある。ホトトギス、イワブクロ、プリムラなどは、二年ちかく雨にも当たっていたので、タネはとうに流されたと思っていたが発芽してくれた。

ただ、山野草の場合は、どんな地域に自生しているのか、ということは常に把握して頭に入れておき、水やりや置き場に気を遣わなければならない。園芸種なら、発芽さえすれば、ほとんどのものを開花までもって行くことが出来ると思って間違いない。だからタネ蒔きにも、気軽に挑戦してほしい。

タネ蒔き時期についてだが、原則として秋蒔きが良いと思う。日中の気温がまだ高く、休眠しないタネなら数日から2週間以内に発芽する。休眠してしまったものは、翌春に発芽となるだろう。園芸種なら本葉数枚で肥料の入った土に移植し、晩秋までに定植すると来春に開花となる。二年草なら翌々春開花。また、耐寒性のない一年草(アサガオやひまわりなど)は、春蒔きとなる。山野草なら播種一年目に開花することはほとんどなく、夏越しがネックとなる。