撮影旅行 九十九谷と房総の紅葉めぐり

今回、九十九谷という絶景を初めて見て、コントラストの効いてない色が均一的なものは撮影が難しいと分かった。逆に言えば、夕景は太陽があればとても簡単に鮮やかな写真が撮れる。船橋3番瀬のダイヤモンド富士もそうだったし、佐倉ふるさと広場の風車からの夕景もそうだった。いろいろ撮ってみて分かることだった。

【コース概要】
1日目:
新宿都庁前高架下集合(午前8時)
海ほたるで休憩(昼食各自購入)
養老渓谷粟又の滝
道の駅で時間調整を兼ねて休憩
江川海岸
ルートイン木更津で宿泊(午後6時到着、夕食各自)
2日目:
ルートイン木更津(出発午前5時)
九十九谷展望公園(到着5時20分ごろ、出発7時半ごろ)
ルートイン木更津で朝食(8時到着後朝食、出発9時)
亀山湖
亀山湖近くの食事処で昼食午前11時15分ごろから
濃溝の滝
海ほたるで休憩
新宿駅到着、解散(午後4時半ごろ)

下:江川海岸 私としては江川海岸に行ってみたかったのでこのツアーを申し込んだ。午後5時半ぐらいから2時間ほども撮影した。7時くらいには寒くてもうバスに戻りたかったが、意外にも皆さん粘る。太陽が沈んで暗くなってからしばらくするとより赤く輝く時間があると聞いてはいたし、誰一人帰ろうとしないのでぽつぽつ撮りながら皆さんが片づけ始めるまで私も撮影を続けた。日中は暑かったが陽が沈むと手はかじかんで痛いほどだった。

江川海岸7 これは色がきれいに出ていた。8秒もの長秒で撮影したことなかったが奥の工場街のライトもきれい。
絞り優先 ISO:100 SS:8秒 F値:11 補正:-0.7 WB:日陰 マルチ測光 焦点距離:46mm(92mm)

構図がいいと決まる。だが6は色味が平板というか均一的。夕陽の当たる感じが出てない。これでWB日陰で撮っていたらどんなだったろう。やっぱりいろいろ撮っておかなきゃダメだったワ。加工のためにRAWが必要よ。

江川海岸6 これが構図的に奥行き感があって一番いいのではないか。海面が鏡となって電柱が下にも伸びているが、電柱の上の碍子までもが海面に写っているともっといい。潮が満ちているほうが良いと先生も。レトロ感ある色味に郷愁が漂う。
絞り優先 ISO:200 SS:1/1600 F値:7.1 補正:なし WB:晴天 マルチ測光 焦点距離:46mm(92mm)
江川海岸5 縦構図も奥行き感はそれなりにあると思う。上は切った方が良いか。
絞り優先 ISO:200 SS:1/80 F値:10 補正:-1.0 WB:日陰 マルチ測光 焦点距離:25mm(50mm)
江川海岸4 貨物船の上の夕陽
絞り優先 ISO:200 SS:1/125 F値:10 補正:-1.0 WB:日陰 マルチ測光 焦点距離:150mm(300mm)
江川海岸3
絞り優先 ISO:200 SS:1/1600 F値:9 補正:-0.7 WB:日陰 マルチ測光 焦点距離:38mm(76mm)
江川海岸2
絞り優先 ISO:200 SS:1/2500 F値:9 補正:-0.7 WB:晴天 マルチ測光 焦点距離:14mm(28mm)
江川海岸1-2 下の1-1の左奥電柱が暗くてよく見えないので、シャドウ・ハイライト加工した。
江川海岸1-1
絞り優先 ISO:200 SS:1/320 F値:11 補正:-0.7 WB:日陰 マルチ測光 焦点距離:25mm(50mm)

養老渓谷 粟又の滝
絞り優先 ISO:200 SS:1/25 F値:14 補正:-0.7 WB:日陰 マルチ測光 焦点距離:20mm(40mm)
滝は日陰にあった。糸のように水の流れを見せたいのでシャッタースピードは遅く。それでいて紅葉は鮮やかにしたかったのでWBは日陰にした。滝つぼから手前の流れをもっと広く写したほうが構図的に良いと思った。幅広の滝だからか、滝つぼから手前部分の面積が少ないと寸詰まりな感じがして良くなかった。紅葉している所はそれほどなかったので散策路で撮影したのは良いのがなかった。

下:今回のメインスポットである九十九谷展望公園(くじゅうくたに)

何枚アップしてもどれもどんぐりの背比べで大した変わりはないのだが、加工次第では雰囲気がこうも変わると分かった。そして、自由に加工しても画質が落ちないRAWというのはどんなだろうかと興味が湧いた。

その日、自分でファインダーを覗くまではたいした画像じゃないと思っていた。しかし、先生のご指導の下、いざカメラを構えると本当に一幅の絵画(墨絵)のように見えたし、まるで高山の頂きから見下ろす雲海のようにも見えた。千葉県にもこんな美しい景色があるのかととても感動した。

残念ながらRAWで撮らなかったので、それをうまく再現、表現することができない。

前日まで迷っていたが容量を食うばかりでプロ並みに加工するほどの腕前でもないんだから、と、結局画像設定を+RAWにしなかった。SDも大容量のを予備に持って行ったのに。。。

フォトショップで加工しようとするとやっぱりRAWでも撮っておくんだったとひどく後悔した。JPEGでは加工すればするほど劣化が激しい。

前夜、参加者と先生との会食中、プロはあとで加工のできない構図だけはしっかりやっておくという、先生の言葉が身にしみた。本当に良い勉強になった。

やろうかやるまいか迷ったときはやっぱやっておくべき!

全部同じような構図だが若干違う。最初のうちは訳も分からず人のいない所で、全体が入る方がいいかと広角で撮っていた。だが様子を見に来た先生が、そこじゃ下の方が入ってしまうのでこっちでやりなさい、と半ば強引に私をベテラン陣のいる中央付近に引き連れていった。だが三脚の列に割って入るわけにもいかず私としては困った。人と人の空間が少し開いていた所の後ろに三脚を置かせてもらって構えた。先生の声が聞こえるから周りの人も少し動いてくれたようだ。

そのうち、すぐそばの若いお兄さんが「ここでどうぞ」と言ってくれた。同じツアーの人じゃなかった。私はあわてて「大丈夫です、大丈夫です」と固辞したがお兄さんは「自分はもう帰りますから」とどいてくれた。私は「ありがとうございます」とお礼を言ってその場所でカメラを構えた。今どきの若い人にしては珍しいわ。サンキューね。これも感動した出来事の一つ。

そうそ、ツアー客はじーじ18人と、ばーばは私を含めて5人の、高齢の上級者ばかり23名。私が初心者で一番若いと誰が見ても分かる。でもちょっと話すといろいろ教えてくれたので、私にとってはみんなが先生。とてもありがたかった。

九十九谷展望公園から6 加工:切り抜き
九十九谷展望公園から6 加工:切り抜き、色相・彩度
九十九谷展望公園から5 加工:自動コントラスト、色相・彩度、切り抜き
これが構図ではいちばんましな方かと思うが、画像劣化がひどい。もっと薄墨色にできたらいいんだけど。。。
九十九谷展望公園から5 加工:色相・彩度、明るさ・コントラスト、切り抜き
九十九谷展望公園から4 加工:自動コントラスト
九十九谷展望公園から4 加工:自動スマート補正
九十九谷展望公園から3 下の住宅などが見えているのが良くないそう
九十九谷展望公園から2 自分としてはこれで十分と思うがそこがやっぱ素人。先生によれば、空を入れすぎるのは良くない(なんで?)、それに住宅も写るほど雲が薄い。もっと雲があった方が墨絵のような雰囲気になるそう。
九十九谷展望公園から1 加工:色相・彩度(色彩の統一にチェック)、自動コントラスト、切り抜き
九十九谷展望公園から1 加工:自動スマート補正、自動コントラスト、色相・彩度(色彩の統一にチェック)
九十九谷展望公園から1 加工:自動スマート補正、自動コントラスト
九十九谷展望公園から1 加工:モノクロバリエーション
九十九谷展望公園から1 加工:なしのオリジナル 絞り優先 ISO:200 SS:1/4000 F値:5.8 補正:-0.3 WB:晴天 マルチ測光 焦点距離:95mm(190mm)
ここでホワイトバランスを、蛍光灯にするか青味の出る色温度にカスタムしておくと加工ももっと楽だったろう。全部同じホワイトバランス晴天で撮ってしまった。最後の方の何枚かだけでもチャレンジすべきだった。

亀山湖散策路から4 湖に浮かぶボート 絞り優先 ISO:200 SS:1/2000 F値:4 補正:-1.0 WB:晴天 マルチ測光 焦点距離:14mm(28mm)
亀山湖散策路から3 天に向かって伸びる柿と庚申塚 絞り優先 ISO:200 SS:1/2500 F値:4 補正:-0.3 WB:晴天 マルチ測光 焦点距離:14mm(28mm)
亀山湖散策路から2 メタセコイアの紅葉 絞り優先 ISO:200 SS:1/2000 F値:3.5 補正:+1.3 WB:晴天 マルチ測光 焦点距離:14mm(28mm)
亀山湖散策路から1 暗天のメタセコイア 絞り優先 ISO:200 SS:1/8000 F値:4.1 補正:-1.3 WB:晴天 マルチ測光 焦点距離:20mm(40mm)

濃溝の滝3 散策路の紅葉 絞り優先 ISO:100 SS:1/400 F値:4.7 補正:なし WB:オート マルチ測光 焦点距離:35mm(70mm)
濃溝の滝2 絞り優先 ISO:100 SS:2秒 F値:13 補正:-0.3 WB:日陰 マルチ測光 焦点距離:14mm(28mm)
濃溝の滝1 散策路の紅葉 絞り優先 ISO:200 SS:1/80 F値:8 補正:+1.7 WB:晴天 マルチ測光 焦点距離:54mm(108mm)

濃溝の滝は以前にも行ったので下まで降りずに上から撮影。三脚を広げている暇はないし、たぶん場所もないと言われていたので手持ちで。滝の両側に黄色の葉っぱはあったが赤いのはなかった。そして左は日が当たるが右は陰で、滝も奥の方で暗い。滝を撮影したのは展望場所で、手前には多数の観光客が並んでいたので少し待って場所を確保、柵を支柱代わりにして。水の流れを糸のようにしたかったのでシャッタースピードを遅くした。黄葉を鮮やかにしたいと思うと中央の滝は真っ黒になる。こういう時こそスポット測光だったのに、めんどくさくて測光モードを変更しなかった。何しろたくさんの人出で、私たちのグループはどんどん先に行くし。今回の先生、カメラ設定の細かい説明はなくて構図が主だった。レタッチであとでどうにでもなると。。。

プロはレタッチするのが当然という話を聞き、すごくびっくりした。私も思いっきり加工した。買ったソフト(PhotoshopElements)をこれほど活用したことはなかったわ。