渡船に乗り遅れたお遍路

この日の宿は、33番雪蹊寺さん目前の高知屋さん。なので高知県営フェリー種崎渡船場から対岸の長浜に渡ればもうすぐだった。

この渡船場への曲がり角が見つけられずに、1キロぐらいずっと走り続けて数百メートル手前で地元の方に道を尋ねた。自転車に乗ったパツ金のお兄さんだ。もう誰でも良いのですがりたい思いだった。私が白髪のばあさんで大きなリュック背負っていたから、曲がり角の目印も教えてくれたが「14:10のに乗りたいんですよね?時間にはシビアに出航するから、もう無理だから走らないほうが良いです」と、忠告してくれた。私は自分が滑稽に思え笑いながら「そうですか、ありがとうございます」と言った。

だが諦めきれずに小走りだよ。1-2分前になっても諦めきれない。無理だと分かっていても見えたら手を振って待ってもらおう、と姑息な考え。だが曲がり角を曲がってフェリー乗り場が見えたら、扉は閉まっているけど、その扉の上であらら~~マストの先か何か動いてる。行っちゃったよ~。ああ無常!

と言うわけで、目前で1本乗り遅れて15:10発に乗った。それでも十分雪蹊寺の納経には間に合うのよ。

この時、待合所で野宿へんろのミスターと喋った。この方ともあちこちで出会い、挨拶ぐらいはかわしていた。もともと山男らしい。携帯のガスカートリッジとか持ち自炊してるそう。そして荷物もこぢんまり。10キロ以上にならないようにしているって。私も見習わなければ。

↑:33番雪蹊寺 この門前で文旦売ってた。LLサイズ1箱6500円だった。私がうちに送ったのは5000円だったが、帰って確認すると実はもう水分が抜けているのもあって旬は過ぎたようだ。