パーシカム系 |
大輪系シクラメンの代表的な系統。パーシカムとは、学名の種名であるペルシクムを英語読みにしたものである。大輪の平弁咲きで、花びらがきれいに反転するのが特徴で、最もシクラメンらしい花形といえよう。花色、品種ともにシクラメンの中では最も豊富で会って、わが国で栽培されているシクラメンの大部分がこのグループといってよいほどである。
- ボンファイアー
- カルメン・スカーレット
- 野村ニューレッド
- ディープ・サーモン
- カトレア・ローズ
- シルハイド
- ローザ・ホン・ツェレンドルフ
- サーモンピンク・ウイズ・レッドアイ
- キルシラック
- ビクトリア
- レッド・シルバーエッジ
- サーモン・ウイズ・ホワイトエッジ
- ホワイト・ウイズ・レッドアイ
- ピュアー・ホワイト
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F1系 |
近年登場してきたシクラメン中、最も新しいグループである。F1とは一代交配種のことであって、従来の固定品種よりも強健で栽培しやすく、しかも品質にばらつきがなくよくそろうなどの利点がある。系統的にはパーシカム系であるため、パーシカム系同様平弁反転咲きの大輪種であるが、早咲きで、葉の模様の美しい品種が多いので、花だけでなく観葉シクラメンとしても楽しめよう。
- オベロン
- ロザムンデ
- カルメン
- ボエーム
- トスカ
- フィンランディア
- オフェリア
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ミニシクラメン |
大輪系とは反対に、小輪多花性のグループ。性質はきわめて強く、耐寒、耐暑性に富む為、家庭でも次の年まで持ち越すことが、大輪系よりも用意であるという美点を持つ。古くからかあるマルチフローラ系には、香りの良い株がしばしばあるので有香シクラメンといわれることもあるが全部に香りはない。近年、花色、花立、花形などがすぐれたバンビーニ系という新グループもある。
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バンビーニ系 |
ミニ・シクラメンのニューフェース。マルチフローラ系よりも締まって育ち、花立がすこぶる良い。紫系のバイオレット、淡いピンクのソフトローズなどのほか、赤のフォルティッシモ、鮭桃色のアダージオなどなかなか多彩である。
- バンビーニ・カルメン
- バンビーニ・バイオレット
- バンビーニ・ソフトローズ
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マルチフローラ系 |
マルチフローラ系で香りのもっとも強いのは、純白色のアン・ネッケであるが、その中にも無香のものがかなりある。ウイリーはそれほど強い香りではないが、ほとんどの株が香りを持つ。ソニアは香りのある株もあるが、無香の物のほうが多い。花立はいずれもすこぶる良い。
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変わり咲き |
シクラメンの花形は、パーシカム咲き(平弁反転咲き)が最も普通のタイプであるが、他に、花形の変わった系統がいくつもある。フリンジ咲きやラッフル咲き(いずれも大輪の反転咲き)、これをさらに巨大輪化した最も豪華なスーパー・ジャイアント系、珍しいものとしては花びらの中央にニワトリのトサカ状の突起のあるクリスタータ系などもある。
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八重咲き |
以前からヨーロッパには八重咲き種が知られていたが、品種として確立し、有名になったのはわが国で改良されたものである。花びらが中心部まで重なり合う八重咲きで、一重咲きのものにくらべるとボッテリした感じで、わが国ではスッキリした一重先のほうがうけるためにあまり生産出荷されていない。しかし一輪一輪の花持ちは極めてよく、冬では1ヶ月近くも花持ちをする利点がある。
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原種 |
シクラメンは小アジアからヨーロッパへかけて分布し、その種類も約20種ほどあるといわれるが、園芸化されたパーシカム種のほかにも可憐な野生種がいろいろとあり、いずれの種類も山草的に小鉢植えにしてたのしまれる。多くは一季咲きで、コーム、アトキンシーなどの春咲き種と、ネアポリタナムやシリシカムなどの夏から秋咲き種などもあるし、ユーロペアムのように有香種などもある。
- ネアポリタナム
イタリアなどのヨーロッパ南部原産で、夏から秋に咲くところから秋咲きシクラメンといい、英名では葉がつたの葉に似るところから、アイビー・リーフ・シクラメンという。白花のほか淡桃色花のものもある。葉は花が終わったあとに茂る。
- コーム
小アジア、ギリシャ原産の小型種。腎臓形の丸形葉で、早春、葉間から花を出し、ピンクや紫紅色のごく可憐な花を咲かせる。ネアポリタナムは大球性であるが、これは小球性で、扁球状の塊茎をもつ。
- アトキンシー
コームとイベリカムの雑種。葉は濃緑色に銀白色斑入りでやや光沢がある腎臓形の丸葉。春咲きで、葉の茂っている中から花茎を出して、ばら色の小花を開くが、白色花や紅色花のものもある。
- シリシカム
シシリー島の原産で、シシリカムと言われることもあるが正しくはシリシカムである。秋咲き種で、花色はバラ色に紅色の目がある。葉は丸い心臓形で、葉柄、花茎共に長く、開花する頃より葉を出し始める。
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