ミニシアター系

最近立て続けに、ミニシアター系のDVDやビデオを借りてきて観た。それほど感動することもワクワクすることもないが、何かしら意見を投げかけているのがわかる。スペクタクルやアクションものは、劇場で観たいのであまり借りない。ひっそりと、一人で泣けるようなのがミニシアター系ではおすすめ。

25時間(25Hours)という映画は、なかなか教訓的だった。麻薬売買の容疑で逮捕され、犯人が収監される直前の1日を丹念に描いたものだった。よくわからないのは、収監ってこと。一度は逮捕されているのに、保釈されたんだろうか? 一通りの取調べが終わってからか、あるいは裁判で判決を言い渡された後かに、自ら翌日の朝出頭するって変だね。逃げる意志がない著名人は、大金と引き代えに保釈されることがあるのは知ってるけど、この主人公は麻薬密売人だよ?!

とにかく、逮捕され刑務所に送られるということは、そうとうな苦痛らしい。男なのに男に蹂躙される、と何度もいろんな人に繰りえし言わせてる。この話は『ショーシャンクの空に』、でも描写があったのでだいたい分かるが、アメリカの刑務所って本当に全部そうなのかなー。信じらんない。(ーー;)

そしてその刑務所暮らしがあることで、人生を棒に振る、とも繰り返し言わせている。いかにも教訓的でしょ。この主人公は、麻薬密売人だから友人もなくいつもビクビク、悲惨な生活をしているかというとそうじゃない。子ども時代からの親友は、一人は証券マンでもう一人は教師だし、本人もリッチで洗練された感じすらする。高級アパートに住み、恋人もいる。そして運転手付きのリムジンを乗り回す。彼は、高校時代にふとしたキッカケで始めたドラッグの売買から、抜け出せない(抜け出さない)まま現在に至ったのだ。

友人は二人とも彼をチクったりしないが、彼が高級車を乗り回し、高級アパートに暮らしているのも、大勢の人を麻薬中毒にして得たお金からだと分かっている。だから刑務所に行くのは当然だとも。。。。

本人は、というとエラク反省し後悔している。足を洗わなかった自分が悪いと。収監される日の朝、刑務所できれいな顔に目をつけられたら大変だからと、親友に顔をボコボコにしてもらう。そして父親に警察まで送ってもらう道すがら、このまま誰も知らない土地に逃げ出せたら、と想像する。ほとぼりが冷めたら自分の愛する人を呼び寄せ、子どもを作り、立派に育てあげる。。。。でも、こんな想像は無意味だった。自分は逃げたりせずに、警察に出頭するため父親の運転する車にいるからだ。もっと早く気がついていれば、こんなことにならなかったね。

つづいて観たのは、『ポーリーヌ』。先天的に知的障害のある老女の話だ。面倒を見ていた長姉が亡くなり、二人の妹にかわるがわる面倒を見てもらう話。お互い自分の生活を乱されるのはイヤ、とポーリーヌを押し付けあっていたが、最終的には妹だって老いを自覚し、寂しさにとらわれる。誰だって、いつかはこういうときが来るんだね。あーあ、憂鬱になったので、今度は痛快スペクタクルを借りてこよっと。^_^;