Primula modesta var. fauriae
プリムラ モデスタ ヴァリエティ ファウリアエ (ユキワリコザクラ)

ユキワリソウ節 Sect. Aleuritia ユキワリソウ Primula modesta

【世界のプリムラ】 -原種・さくらそう・オーリキュラ・ポリアンサス- 世界のプリムラ編集委員会編より

ユキワリソウ節 Sect. Aleuritia

小型の種より成り立っている。所属する種数も多く、かつ分布域も北半球全域から南半球にまで達している。無柄に近い葉は無毛で、粉状物を帯びているほかに、萼片下部が膨れているのが特徴である。葉裏に密布する粉状物はフラボノイドの結晶で、色調とか、量の多少は、種の判定の目安になる形質である。

ユキワリソウ Primula modesta

葉は広い倒卵形で、膜質。長さ2-10cm内外。裏面に黄色の粉状物を密布する。辺縁部は裏側へ巻き反る傾向がある。細かい歯牙を有している。小型で、淡紅色の花を多数頂生する。北海道、東北、中部から中国、九州にまで分布しており、各地方ごとに分化した地方変種がある。

葉がサジ形になり、葉身基部が急に細くなり、柄状になるとともに、葉縁が強く、裏側に反りかえるのをユキワリコザクラ var. fauriae として区別できる。この型は、本州東北部から北海道にかけて認められる。

また、葉身全体が伸び、倒被針形に近くなり、裏面への反りかえりの著しいものをサマニユキワリとして、ユキワリコザクラの一品種とされる。

葉が大型となり、倒被針形で葉裏の粉状物も多量になり、花茎も太く、花数も増え、苞も大型になったものをレブンコザクラ var. matsumurae として区別する。礼文島、天塩山地、知床から発見されている。

本州中部の高山から花のやや大型のものがみつかリ、オオオバナユキワリソウと呼ばれることもある。四国産のものも葉が大型になり、イシズチコザクラと呼ばれることもある。染色体数は体細胞で18本。

誠文堂新光社刊【世界のプリムラ】から *粉をふくプリムラ群についての記述はこちら

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