亡国のイージス

亡国のイージスを見てきた。進むべき道もなく、護るものもない国は国家とは言えず、然るに亡国というんだって。まさに今の日本を言い表しているんだけど、そうは言っても「和を持って尊しとすべし」と、言った聖徳太子のころから日本人に根づいた考え方は、個人主義で自己主張の強い外国人や、今時の若い人たちには簡単にはわかるまい。無用な争いを避ける為に、徐々に日本人の心の中に根づいてきた考え方だと思う。

さて亡国のことはさておき、映画のストーリーだけどねたばらししたくないので詳しくはいえない。日本映画初といわれる自衛隊の全面協力のもと、護衛艦などのロケはやっぱり本物だねぇ!と、国防力を改めて思い知る。けど、肝心な艦砲の発射シーンなどは、ありゃCGだね~。。。アメリカならこんな時、当然のごとく本物の実写映像を使うけど、日本じゃそうはいかない。要するに全面協力と言っても、艦内のロケだけだと思うよ。護衛艦を中から撮ったり外から撮ったり。。。観客はシニアのご夫婦カップルが多くて、若い人がポツポツ。

ストーリー展開は、、、はっきり言って生ぬるい。結局、悪は悪で末路には死しかないが、その描写がハリウッドに比べたらこんなもんかー、と60点。悪は途中で、幹部以外の乗員を全て離艦させるんだけど、この辺も生ぬるい。だから東京にミサイル照準を合わせたと言ったって、悪は徹底的な悪に感じられない。善は善で当然「正義は勝つ」なんだけど、やっぱり普通の結末だよ。

某国ののっとり犯には、はっきりとした要求もなくて、あくまでも日本に壊滅的ダメージを与えるテロ行為そのものが目的。だったらわざわざ日本政府と連絡とらなくてもいいじゃん。それに軍艦は艦隊を組んで行動するのが常で、単体で演習や訓練をすることはない。たとえ一つの護衛艦がのっとられたり反乱があったとしても、ここまでの行動には無理があるんじゃないの。現実性にとぼし~。(~_~;) 

そして、護衛艦いそかぜが同じクラスの艦を、先手必勝とばかりに攻撃して沈没させるシーンは何とも情けなかった。先制攻撃してはいけないのが自衛隊らしいけど、むざむざやられてしまっては日本を護れないじゃん。これを作者は言いたいのか。それに国防の諜報組織のお粗末さよ。たった数人しか出てこない。これだけじゃないよね? これが本当だったら税金返せと言いたいよ。

日本の国家を亡国だと憂えるにしても、実際にはこの主役のように、家族友達を愛し、艦に愛着を持ち、自分の任務を全うして日本を護ろうという自衛官がいる限り、日本はまだまだ大丈夫。でも実際の戦争ではこんなもんじゃ済まないよ。もっと厳しく悲惨だよ。だから戦争は絶対反対。最後のエンドロール、全面協力の自衛隊の名前がいっぱい出てくるからね~。