伊予遍路を終えての感想

今回のお遍路で特に印象深かったことは、 地元の皆さんが私のことを寡婦だろうと思ったらしいこと。

旦那さんの位牌と共にお遍路していると。

この事を夫に話すと、夫はひょうきんな無責任男なので

そういう時はな「夫が昨年亡くなって自分はずーっとこうやって位牌を抱いてお遍路してるんです」って話すんだよ!

って返してきた。私はそんな不真面目なこと言えるわけないよ。爆笑!!!

お遍路さんには何も聞いてはいけない、
と言う「暗黙の了解」があるらしいのを聞いた事もあるのだが、実際にはズバリと私のことを聞いてくる人が多い。あるいは腹を探って来るような人も。

お遍路の目的は何ですか?とか、お遍路に出るような悩みは?とか。はっきり旦那さんは?とか。

後半ではめんどくさいので自分から「夫は元気です」「性格や趣味が違うので普段から別行動です」
というようにしていた。

他人とは身勝手なものである。私の素性を聞き出したくて、お菓子をお接待してくれたりする人もいる。お接待したら、ずけずけと何を聞いてもいいというものではないと思うが。

単に「お遍路さんはどこから来たの?」と聞く人もいる。「千葉からです」と答え、続けて「2巡目です」と答えるようにした。

すると「何で?」とまた来る。

ま、今回のお遍路で悟ったのは「袖振り合うも多生の縁」ということかな。

私は元々、他人のプライバシーを根掘り葉掘り聞いたりしない方で、人との付き合いは薄い。深い付き合いをしたいと思ったことがない。

そのことをモットーとして生きてきたつもり。だが年を重ねるにつれて考えさせられることが多くなった。一人旅をして、人は一人じゃ生きられない、人との関わり合いの中で生きていくしかないのだと思うようになった。