コーギーコテージ

昨日は選挙だったが、前日に撮ったNHKのビデオをみた。エントリータイトルのコーギーコテージとは、90歳になるターシャ・テューダーの住む家で、アメリカ北東部のバーモント州にある。ここはもうカナダに近い。彼女は資産家の生まれで、現役の絵本作家であり、世界中から注目されるガーデナーでもある。以前から彼女のガーデニングの本を見て、まさに自分の目的とする庭とぴったりで、私はとてもあこがれていたのだ。

四季の移ろいの中で、ゆったりと流れる時間。春には球根植物、初夏にはシャクヤクなどの多年草類、秋には果樹が色づいて収穫、保存食やジュース作りをする。彼女の草取り方法は繁茂しすぎる雑草だけを引き抜き、こぼれ種子で生えてくるワスレナグサなどの野草は絶対残すそうだ。この考え方も私とそっくり。一年中庭に出ていて、絵本作家としての創作のほかは、彼女の生きる目的はナチュラルガーデンにあるといっても過言ではないだろう。

彼女のガーデンの本を始めてみたのはつい最近だったが、それ以前からこのようなコテージガーデンに私はあこがれていた。絵本作家として成功している彼女の庭は、すごーく広い。こんなに広いと一人ではとても行き届かないはずだが、そばに住む息子や孫、その嫁が手伝っている。『好きな絵本を書いて、子ども4人を育てることができたのは幸せだった』と彼女は言っている。本当にその通りよ。子ども達の父親とは離婚したらしいので、普通ならこんな暮らしはのぞめないだろう。実家は資産家だったそうで、母親は社交界へのデビューを切望していたそうだが、ターシャは15歳のときに牛を買ってもらい、農場暮らしを選択したとか。その母は当時でも珍しい女流肖像画家だったそうだ。その血を引いているんだね。彼女の描く絵は、温かみがあって好きだな。写実性のなかに、絵本ならではの想像性。今度、本屋さんで探してみよう。

ナチュラルガーデンというのは難しい。自然風の庭と言っても、決して自然に任せっぱなしではあのような庭にはならない。ある程度の計画性を持って植栽し、配色や大きさを考慮する。それでも思った大きさにならないで、小さすぎたり大きすぎたりということもある。消毒もしたくはないが、バラや果樹にはきっと消毒していると思うよ。ついでに他の植物にもしているかもしれない。もしも全く消毒していないのだとしたら、それは管理が行き届いているということだろう。病気や虫害は早めに見つけて手を打つ。それしかない。

そんな珠玉のビデオを見てから、自分の庭に目を移すと、、、、あーあ、がっかりしちゃうよ~。(@_@;) というか、私は無駄な努力をしているんだろうかと思ってしまった。夏には熱帯並みの気候となるこの地域で、あんなすばらしい庭は無理なのか。。。ん、今に始まったことじゃなく、何年も思い知らされてはいるんだけど。(^^ゞ まぁ自分なりに、この地域ならではの、ナチュラルっぽいガーデンを目指すという事で我慢するか。ターシャは毎年秋に、何百というチューリップの球根を植えるそうだ。そうだよね、やっぱりチューリップは一年草のように扱うんだ。私のように毎年咲いてくれることをケチくさく願ってはいない。この潔さもガーデナーには必要なんだ。そして、たとえ花が満開でも、下の草花を覆うほどになった潅木を、彼女は思い切り良く切り戻し花瓶にさしていた。切り戻した枝は、古びた花瓶に無造作に投げ入れる。そうそう、こんなところもコテージガーデンにふさわしい。あと数年は私も頑張るぞ。