植物の習性

ホソバウンラン Linaria vulgaris を昨年秋にまいたが、発芽日などの記録をつけていなかった。Ｌｉｎａｒｉａ purpurea と同じような葉っぱで花は黄色とクリーム、背丈は L. purpurea ほどは高くならないようだ。その発芽までの経過は、充分発芽適温であったのに蒔いてからすぐに発芽せず、1ヶ月以上経っていたか、12月頃にやっと一芽だけ発芽したのを覚えている。リナリアはもう何年も栽培しているから発芽した芽を他のものと間違えることはないが、なにせこぼれ種子があちこちに出るから、「ん、これももしかしたら L. purpurea のこぼれ種子かもしれない」とあまり期待はしていなかった。だって一芽しか発芽しないのっておかしいもの。発芽するなら一斉に発芽するはず、と思っていた。

その後は真冬を向かえ、たいして生長はしなかったものの、春になったらグングン葉も増えだし茎も伸びていった。いままで栽培したことのある L. purpurea とは葉色が違って薄い緑だったから、たった一芽だけど、これならホソバウンランに間違いないだろうと安心していた。そして3－4月頃には、蒔き床に残っていたタネが一斉に発芽してきた。うんうん、これで発芽習性がわかった。越冬後に発芽するんだ。最初に発芽していた一芽は「勘違い君」だったのだ。やはり L. purpurea とは違っているんだね、学名の種小名が違っているんだから。最近その「勘違い君」は蕾をつけ、はっきりクリーム色に色づいてきている。

2年前にキキョウソウ Specularia perfoliata という花のタネを蒔いた。いただき物の中にもあったけど、自分でも空き地でこの花を見つけ、タネが付いた頃に採集しておいた。名前の通りにキキョウ科植物で、空き地には随分咲いていた。空き地に生えているくらいだからと、自分も発芽苗をすぐに地植えしたが、昨年は一向に開花した気配がなく、花を見ることが出来なかった。それなのになぜか今年は、、、、地植えした場所以外にもタネが飛んだらしく、庭中にこの植物が点在していた。今年は花を見逃さないようにと、ちょくちょくこの植物を観察しているとまたおかしいことに、花が咲いたのを見ていないのに、タネらしいものが既に付いている。「おかしいな、まさか閉鎖花じゃないよね・・・」と思いをめぐらしていた。

そのうちつい数日前のことだが、初めて開花しているのを見た。花は1センチほどだか濃い紫でなかなか目立つ。こんなに目立つ花を見逃すなんておかしいと思い、やっとＷＥＢ検索してみた。するとある大学の先生のサイトにぶち当たり、「キキョウソウは5月までは閉鎖花を形成し、6月から開花する一年草の帰化植物」と記述してあった。あぁ～～、これで納得。植物を長年栽培していたけど私はやっぱり素人で、閉鎖花といえばスミレ属しか思い浮かばなかったが、ある方にいただいたキッコウハグマも閉鎖花を秋につけていた。そしてこのキキョウソウもだってさぁ～。(＠_＠;)　自分はまだまだ勉強不足、経験不足だと思った。下の写真がキキョウソウ。