讃岐一国参り 雲辺寺から豊稔池石積みアーチダム


上:山道下りてきて県道にこの看板見つけた時はうれしかった。まだ二日目だというのに足の親指の爪がだいぶ腫れて痛かった


上:水量が多いともっと迫力があるらしい。


上:何枚も撮った中でこの写真だと遺跡のような雰囲気があっていいわ~。

ここに入る直前の分岐に看板があり、もっと先(上)からもダムが見られるようなのでそっちに行こうとしたらご親切にも「上に行っても何もなかったです。ここから下に入るようです」と、教えてくださった車の家族連れの方がいた。お礼を言って素直にその車の後に続いて無事にアーチダムに到着!素晴らしい!さすが国の重要文化財(建造物)だ。まるで南米の遺跡のような。。。わざわざ時間を作って寄って良かった。

ここは公園にもなっていてトイレもあったのだが、いったん入ったものの暗いし虫がいそうで怖い。とても使う気になれずすぐに出た。

マルチプルアーチダムとは、アーチ止水壁が複数連なるダム。多連式アーチダムとも呼ばれる。現在はコンクリートを主要材料として使用する。(Wikipediaより)

 
 

写真撮影した後、このダムの真ん前にあった石のベンチに座って昼食には早いが青空屋さんでお接待してくださったおにぎりを食べる。朝食のおかずで食べきれないのをジップロックに入れて来たのも出して食べる。すると、先ほど道を教えてくださった方の奥さんが声をかけてくださり、しばしアーチダムや遍路のことなど話した。遍路道ではないので他にお遍路さんはいなかったが、菅笠や金剛杖がなくともこの白衣を見れば誰でもお遍路だと分かる。話しかけてくださる方はたいていご自分も遍路をしたことがあったりお遍路に興味のある方で、時には私の人生にも興味を持ってしまわれる方も。

私は人が興味を持つほどの波乱万丈の人生でもなく聞かれて困る話もないので、結構あけっぴろげにしゃべる。皆さん安心して最後には「お気をつけて」と言ってくださる。その言葉には「自分もお参りしたい。自分の分も納経してほしい」という気持ちがこもっているように感じる時もあった。そんな時、私も相手の方の人となりや人生を想うのだった。四国霊場88か所を巡り終えてみれば、いろいろな方たちにお会いしたのを思い出す。あらためて、これからも一期一会を大切にしたいと思った。

4月2日行程
民宿青空屋6:15発 → (予定:2時間38分4.3K、実際:2時間35分) → 66番雲辺寺8:50本堂着 ロープウェイ9:20発 山麓駅9:27着 → (予定:1時間50分5.5K、実際:1時間25分) → 豊稔池石積みアーチダム10:52着 昼食後11:17発 → (予定:32分2.1K、実際:30分) → 谷上教育センター11:47着発 → 車のお接待を受ける12:10ごろ → 琴弾公園駐車場12:27着 → 68番神恵院/69番観音寺 12:35着13:02発 → 院内カフェで休憩 13:30発 → 銭形砂絵展望台にて写真撮影 13:43発 → 琴弾八幡宮参拝 14:00発 → 帰路は金毘羅さんにも勝るものすごい数の幅と高さがある石段を下りる(体力と時間にゆとりのない方は寄らないほうが良いと思う) → ビジネスホテル観音寺 14:45着(素泊まり4500円、隣のコンビニで朝夕食購入)

 
 

アーチダムを後にして谷上教育センターまでは少し下りだったので早かった。しかし、カンカン照りで汗びっしょり。センターについてトイレが借りられないかキョロキョロしたが、今日は日曜日で入口さえ門が閉まっていた。門が開いていれば市営施設なのでたぶんトイレを借りることはできたと思う。

足が痛いのでバス停で時間を確認するとなんと1時間も待つ。ベンチはあるがこの暑いのに日陰もないし、それじゃ歩いたほうがいいかと歩き出した。いいや、これはお大師様が私を歩かそうとしての事だろうと思い直す。だが後ろからバスの気配がしたら手をあげて乗ってしまおうか、という誘惑にも駆られていた。この路線バスは停留所以外の任意の場所で乗降できると市のPDFに書いてあったし、観音寺駅までバスだと15分くらいなのよ。

歩道がないので路肩の白線内を車を気にしつつ、そんなことを思いながらもとぼとぼ20分ほど歩いていたら、乗用車が私を追い越し、すぐ先でハザードを出して止まった。「どこまで行かれますか?良かったら途中まで乗りませんか?」と。

うわぁぁぁぁ神様仏様お大師様!!!

この年配女性がそう見えた。一瞬は躊躇したのだがご厚意に甘えることにしたのはもちろんだ。私の背中に「誰か車に乗せて!」と書いてあったらしい。あと3時間もこの酷暑の中を歩くと思うとうんざりし、「バス来たら乗りたい」「いや今回は完全な歩き遍路よ!」と葛藤していた真っ最中。遍路は苦行じゃなく修行よと、また自分に言い訳して車お接待をありがたく受ける。

定石通り自分の来歴など話し、相手の方のこともうかがって5分も過ぎたころ「ありがとうございました。ご都合の良いところで降ろしてください。」と何度も言ったが結局話は尽きず、私の目的地の銭形砂絵がある琴弾公園駐車場付近まで乗せてくださった。私は名乗り、乗せてくださった女性の名前もうかがうとサエキ様という方だった。遍路の女性を見かけると今までも何度か車に乗せてあげたそうだ。ご自分がこの地域から出ないため、旅人の話を聞きたいと。本当にありがとうございました。そして私はまたドジって写真も撮り忘れたわ。この方のお姿か車でも撮影させてもらうんだった。お別れの際、私は深々と頭を下げ車が見えなくなるまで見送った。